昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

詩的なノイズ

どの時代だって詩人なんてものは生きにくい。生きにくいからこそ書くしか仕方なく、仕方ないものをあたかも大切そうにできることもできないから、ひたすらに感情をすり減らし、書くことにより昇華するしかない。消費的な私たちが、仕方ないことの繰り返しを生きるよりは、より刹那的に文字を書きなぐり、ただひたすらに幼児退行的に世界をなぐりたおすのが、生きることの常であり、そこには対価はいらず、ただ徒らに消費されるものへの終わらぬ反抗が一切に混在することだけが、生きている証などと決めつけられるよりも速く、生から逃げ出す。あらゆる悲劇に寄りかかり、あたかも愛し合う刹那にすべてはきらめいて、嫌いであったものにつたなく混ざり合い間引きされるだけの機械的な論調から逃げ出し、延々と滑落する夢が覚めない、と君は起源なものを保とうとすればするほどに、すれ違う自己との差異が埋まらず、邂逅すべき自己との乖離を深め、つかさどる意味に捕まり、地帯に備わる毒素に侵され、信用などを謳う資本主義的な幻想や、元素記号アニミズムの気配や、流動的な配役により、自らを主軸として捉えられずに、社会の一部などという幻覚から逃れられずに、まやかしの日々の中でいびつに形成され、乱立する制限により、自らを供儀に捧げ、散漫で幼稚な精神はドラスティックになり、一貫した精神を保てずに正常性云々とつきまとうもともとの確かさを足かせに変え、世界性を狭めながら、センチメンタリズムに攻め入られ、いらだつ精神は敬神などに浸り、軽薄に積み立てられ、乱用される論理に駆逐されるまどろむ自己との対立を深め、終わらぬ軋轢は外に敵視を向けて、報われないから、と憎む君のアンニュイな姿勢も分からなくもないが、分かりたくもないし、分かち合うことはできないし、できたら離れたいし、歯がゆく募る一切は悲劇的なものに交わり、気分的なものに解約され、関与するほどに潰瘍を生み出し、一過性のものに支配され、今に芝居を続け、つくづくに迫る動機に蓄積するものに押しつぶされるだけ、だ。今とは絶えず詩的に昇華され、生きているとは醜く歪むだけだからこそ、健気に昇華し続ける先に羽ばたく意思は、つつがない一瞬を少しは綺麗なものに変わる。