昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

ふたり

どんな状況でも、ふたりを邪魔するものは無かったのに、互いが邪魔になり、つがいであることから放たれ、孤独に散る。互いを傷つけるだけの結果に終えた関連性に連動する悲しみを昇華させるための方法を考え、勘違いしていたものを自らに突きつける。それほど君は必要じゃないか、と納得した夜に蔓延る偶像から放たれて、宇宙をも突き抜け、端も持たずに、ただひたすらに突き抜けてゆく。ふたりの肌と肌が重ねれば、なに不自由なく、なにに咎められる必要もなく、ヤニ臭い部屋を漂っていられたのに、いらなくなった関係はゴミ箱の中で互いを監視し合いながら、愛しているフリをしているやつらを傍観し、卑下しながら悲劇的なものを演じては、死んだ魚の目をしているやつらの奴隷になりながら、なりたいものすらなく、ただ生きることにすがるほどに世界との懸隔が生まれ、リズミカルにひずむ自身の内部では、ヒステリックな摩擦を繰り返し、自らの内部で腐りゆく存在は、自らをも察知できなくなり、社会というものの中で発酵したり、発券すらされなくなり、際限なく朽ちた後すら踏み付けられ、二度と這い上がれないように同族嫌悪し、自らを優位に立たせるために、誰かを自分を傷つけるみたいに傷つけては、自らの傷を確認するように誰かを愛撫したり、相槌を打ったり、奪いあったりキスしたりしながら、育んできたものなどは、所詮は借り物に満たず、競争の中で働くサイクルの恥部を弄る私は、偶像に支配された世からの乖離を感じ、身体を破棄して、画期的に宇宙とまじわり、勝手気ままに消滅する。お前らなんて虚勢ばっかりだし、自己顕示欲ばかりが先行しては、誰かになにかを伝えなければならない的な強迫観念によってしか、自らに働きすら加えられないような毒虫みたいだね、と未来を嫌いになったクリミナルな君が歌うイマジンをオマージュしたような青空の下では、主体性すら隠滅して、インモラルな衝動がつぎはぎに縫い合わさた社会の中でしか生きられないような連中が仕掛けるムーブメントに必死にすがることでしか堅持できないようなものなどに、ありがたみを感じたり、無くしたばっかりに、必死に追いかけるほどに逃げてゆくことにより増してゆく快楽の虜になるだけの世界を塗り替えるためだけに生きてゆくんだ。