昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

彼女の腹の中

黒い女の子、暗い女の子、そんなに人を好きになることなんてないのに、時間を無駄にして、周りばっかり気にしていたら、簡単に老けて、今に世界にねじ伏せられてしまう。抵抗を提携よりも、抵抗を。目の死んだ子供たち、クーデターの夜に降る星の数、後先に降り積もるのは、重たい学校の陰、斡旋された日曜日が引き摺る暗い月曜日の散華、満開に咲いた夏の声、はがゆく鳴り響くギター、童顔の彼女の髪の間から見える憎しみや、神を崇めるだけの退屈な対価、張り裂けた心臓からこぼれるのは因果律で、火傷した皮膚から生まれた鳥に乗りながら、後悔を吐き出す口を縫う。虫歯の猫たちが踊るダンスホールでは、自分の子供ぐらいの年齢の男女が愛したり憎んだりしている。ただ老いることを辞めた私は猿の国の王様として、独裁政権の中で粛清に勤しみ、ミンククジラが飛び交う月経の海では、束縛されるだけの身体から解き放たれ、チューアップされる精神を切りつけながら、ムンクみたいに叫んでは、幽霊みたいなやつらを蹴散らし、怪我人だらけの街では、戦争よりもひどい普遍性という惨状の中で知った上で従う輩と、知らないがゆえに迫害されたり、自分たちよりも弱いものを排除したりしながら、シナプスをも占領する排外主義や、保守的な理想により、新たな試みを受け入れられないやつらが思想や主義を垂れ流し、世界を奪い合ってばかりいるし、私はといえばすべてに当たり散らし、唾を吐いて現実を罵りながら、のさばる連中が思案したり示唆しせないための洗脳をコード化して、クーラーが効いた部屋で閉鎖的に募る憂鬱を拷問器具なんかに変えながら、足枷がジャラジャラとうるさい屍がバラバラになった肉片を集める間からはメタファーがさんさんとあふれてゆくし、君の幸せなんかは私は知らないし、誰かが誰かを裁くばっかりで、この世界とはいつも醜いし、見えにくくしてばかりいる偉いだけのやつらを翻すために、この夜は永続すべきだ、と。