昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

ぬかるんだ朝

君を崇める記憶の画面を粉砕する。恋の祭りは終わり、憎らしい恋の歌が包み込む気だるい春の汚穢から抜け出し、盛りのついた動物的な夏が刷新する新作の人生、野の花はのどかなようで、なにかに踏みつけられる恐怖に震えながら、風にゆらいで、長いだけの人生を恨んでいる人間を羨ましそうに眺めるだけの関連性から放たれるべく、自らのルサンチマンを原動力として生きるより、孤独たる病から旅立つまでの淡いひと時にかすむだけの日々にすがるよりも、清々しく香る記憶などが収斂し、あたかもその場にあったように思えるまでの記憶の集積などが脳内で新たな土地を完成させ、しあわせなようなそぶりをしては、残酷な今から抜け出すために絶え間ない苦痛から解き放たれるためだけに保たれる間柄には、愛などは初めから存在せず、ただただうとましくからまる忌々しい現在に空回りする自己を俯瞰から傍観する利己的な自己との出会いと別れを繰り返しては、あたかもそこにあったしあわせなどは、そっけないものであり、離れてしまえば、しあわせであっあものなどは、不確かなものであり、そこで消えてしまえば、しあわせなどは瞬時に感じ取られなければ、しあわせであったことすら不確実で不確定な要素を孕み、事実などは、真実味を喪失し、そこで認識されたものなど、過ぎ去ればどれも確実性もなく、そこで抗い続けなければ、すべては、そこにあったことすら意味を持たないとか、持つとかという感覚から放たれない限り、与えられた認識に苦しむだけなのだよ、我々は。