昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

相似

誰も恨まないし、誰も憎まない、たかだか笑って、軽やかに歌い上げる。この国を潰すのは、みんなの力なんだ、とレジスタンスが加速させる怒りが枷に変わる前に、この世をひっくり返すために、このよどんだ世界から抜け出すのよ、とウサギの耳を付けたアリスがカタルシスに至るために綴る論理の底なし沼、まじわる先にはこの世の終わりをめぐるアニマルたちが泳ぐインドのソナガチでの止まない雨、病んだ子供たちが水たまりで息絶えているのにも気付かずに、通り過ぎてゆくだけの通行人たちが告白を続ける寺院では、助けるべき神すら傍観するダミーの世界、今朝はもう来ないのか、と仰ぐ野良犬たち、注射痕から生える虫の足を眺め続ける中年男性たちのあの世に足を踏み入れた孤独な鼓動、世界もバリバリと裂けていって、一貫したものなどに加勢するほどに、井蛙なものの胃の中に落とし込まれて、簡単に消化され、瞬く間に排泄物に変わるだけなのか、とルサンチマンたちが流浪する羅刹、正義感などが簡易的な悪意をばら撒き、アクメに至るための軌跡を這いずる主婦たちのドラスティックな考察により、悲劇的なものを滞留させ、そこで固執するほどにあっけなく散りゆく定めなのか、と加算する先々の苦しみは、誰かの意思を奪うために、退廃的なものを構築させ、くたびれた意識が先々で性善説なんかを用いて、悪を大量生産する資本主義的な汚穢製造機たる機械兵たちが、閉鎖的な中での秩序を守るための大戦争へと至り、誰も味方は居なくなり、密告だけが今に燃料を授け、戦争を加速させる。堂々めぐりする軋轢にすれ違う愛たち、謀るだけの人々の摩擦により燃え盛る敵愾心により、さらなる悲劇を絶えず生み出し、奪われたから、と互いに不倶戴天の仲になり、貸し借りなどから絶えず恨みは加速し、羨むほどに裏切りは加速する。足枷になるだけの欲に縫い付けられた行為などに引き摺られながら、徒らに消費する先には、性懲りも無く求めるだけの引き攣った笑顔が、今を束縛し、あたかも誰かを愛しているような演技により、絶えず犠牲は生み出されてゆく。