昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

道理を駆逐する朝

朝のいい匂いがひろがる。配布されただけの愛がジレンマを生み出す白夜、蜃気楼から生える草花がスタッカートを弾き、季節感を終わらせるための太陽が怒り狂い、リリカルに紡ぐ詩人たちの視神経は潰え、得たものをひけらかすだけの文明が謳う対価などは、依然として、誰かの配下のままで、なんの真実もつかめずに、安直なままで、ままならぬ思いが打ち出す退屈を昇華できずにいる。彼女は夏が死んで燃え上がり、その姿は花火みたいで、一瞬の美しさの中で乖離する若さに別れを告げて、あっけなく散っていった。去り際は遠ざかるばかりで、意識の坂道を下り、灰色の路地で、背徳を掲げ、定めを拒否し去りゆく君の姿はとても繊細で健気さをそこかしこに孕んでいる。にじむ血の痕、綺麗なだけの世界にひれ伏す彼らのコード、機械的な道々では、絶え間ない闘争が繰り広げられ、退屈な軋轢により歪む精神が搾取するものにより、さらに精神が歪んでゆくことにより、うながされる憎悪により、さらなる破壊が生み出されることで、終わらない怒りが、終わらない戦争を引き出す。そのような歴史を崇めるだけの彼らの支配から遠のくべく、母なる宇宙と語り明かし、裁かれるだけの退屈な世界から抜け出す彼女たちの荒んだ腕や、溶けた脳、窮屈な胸や、耳からこぼれる彼方からの夢や希望、犠牲的な観念に羽根が生えて、永遠をも飛び越えて、魂が探索し続ける先々で逍遥する所以を切り取りながら、ねぶり続けている壁も溶けて、懐かしむだけの日々も終わり、導かれるほどに別れてゆく思いが穿たれ、そこに嵌め込まれた愛が嘯く契りにより、私たちの愛とは歪められてゆくのであり、そこで行きすぎるだけの思いが堕落し、散漫な意識に亀裂を与え、醜い価値観が制限なんかを与え、感覚を捻じ曲げながら、内面性に構築されたエゴなんかにより、自らの考えとは捻じ曲げられ、すかさず抑圧させられ、些細なことで苦しんでばかりいる。