昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

秋風赤い

屋根の上で眠る茶トラが二匹、鯖トラは小さな身体で草花を押し倒し、名前も知らない虫を追いかけている。野良猫たちが使う通過のような言語が飛び交う空中では、見たこともない派手な鳥が世界を独り占めしているのを見つめている家猫のだらしない身体が、なんともしあわせなものを演出しているこの部屋で、ニセモノの資本論を枕にして眠る私を尻目に、世界経済という奴は、短絡的な形式を模倣し、まだ漠然とした意識や意思を搾取しようと模索し、錯綜する意識は、陰鬱な証拠などを集めて、一冊の本なんかにしている間に、世界とは不潔に変わり、平静さを装い、補われるものを不当に集めては、あいまいな示唆を繰り返しては、規範に反するから、と加算される原理を吐瀉し、自らという異物感から逃れるために、他者を批判し、はびこる悪意が今を不純なものに変え、懐疑的な日々に迫るニヒリズムが逼迫させる精神が、即席の理由を流動させ、他動的な世界から解き放たれ、破綻する形式や、乱れていく景色や、枯渇するだけに至る資源や、辛酸な者たちが生み出すエゴイズムや、ペシミズムに寄りかかり、リリカルなものを知らぬから、判断することもできないような連中が差別的に汎用する答えが今を侮蔑し、信用を謳うだけの依存的な信仰心が、今を騙すために偽装された真理を理想のもののように拝むくらいなら、自らを全うに信用して、真実に組み込まれている餌を食い破り、ルサンチマンを飛び越え、そこで重用されているものなどは、途端に滅びるだけのものであると、あらゆる形式が生み出す進路などは、ただ君を惑わし、迷わせるものであるし、教えられたものなどは、所詮は君を抑圧し、よくある日々の中で従順に暮らしというやつを、薄ら笑いをしながら、薄々感じる意味もないものを、あたかも愛しているかのように演技するような偽善的で、独善的なものに参加してこそ、大人であり、社会人である、と嘯くような一見して人徳者のような者ほど、自らの正義に射精しているような変態であるし、こうして批判して悦に浸るような私も、脳内で惰性に加速する意識的なものの馴れ合いから離れるために必死なだけで、まわりなんて見えてないし、見る気もないし、見てもろくなことはないし、見なければ愛することもできないし、できれば愛してやりたいものです。