昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

着の身着のまま

不潔で複雑で幼稚な恋の汚穢、サブスクされた愛の結末、結膜炎で充血したウサギのような目、部屋という国家には犬と猫と私が共存していて、外面だけ綺麗なプラスチックかなんかで出来ている世界では、自称裁判官な奴らが誰かを裁くために、粗探しばかりしている。いつもヘラヘラ笑っているし、陽気に歌を歌いながら部屋を徘徊してるし、頭の中では、リリカルなものでパーティーざんまいだし、惰性に突き抜ける冬が春を冷やさぬように、もうこのままで良いし、そのままで良いんだよ的な綺麗事を並べては、君に好かれるために必死なコメント欄や、ランダムな写真で埋め尽くされた承認欲求満開の部屋では、君を束縛する君が即座に記憶を書き換え、現実をカオスに変えるから、悪魔のいけにえの風車が回る夕焼けが傲慢な君をナノサイズまで切り刻むチェーンソーの音で耳鳴りが止まないから、やましい気持ちのままでロードムービーの中に入り込み、赤裸々の恋は、その恋という行為に惚れ込んでいる自惚れであるとかいう精神分析のうねりが、なあなあの気持ちの穴蔵に石ころなんかを嵌め込んで、はびこる意思がビシビシと鞭打つ音や、雷が水面を走り、ビリビリと鳴る地面や、即席の理由が、自由の概要に対して攻撃を続け、夜なのに降り止まないミサイルや、フラれて泣く彼女や、自堕落な天使のもげた翼や、唾の香りがするロマンチックな地面や、焼けた肌の匂いや、欺瞞なんかを促す政治家の歪んだ顔のや、カエルみたいな老醜まんきんの顔から生まれるノイズにより、世界とは少しずつ破壊され、最も早く破綻し、バビロンが吐き出す悪意云々とカタルシスに至るボブマーリーのドレッドヘアーや、痩せ細った彼のメガネの奥底には、すべてを見通す能力があるの、と語るオノヨーコや、ヨークシャーテリアの伸びすぎた毛や、画期的な愛すら企画の中での理由にしかならず、その愛すら対価を求め、快感が無くなれば、ポイ捨てされるわけであるし、真実の愛とは、真実の中では幻想であるから、真実の愛を延々と真実の愛の中で追い求めるのであるし、真実の中では何も解決しないだろうし、ようするに誰も本気で愛したこともないし、愛することがないとしても、愛することを諦めるわけにはいかないですから、といけ好かない君が意気揚々に語るそのような物言いも、今日はゆるすことにするし、どうやら世界は少しずつどころか、完全に終わりらしいから、らんらんとるんるんと弾けて旅立つ別れもしゅわしゅわと泡立ち、炭酸みたいにあふれては消えるのが定めなのです。