昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

ブヨブヨとした大気

生きていく意味などは、はなから無いのだし、だから適当に生きろ、と儚く散ったミュージシャンたちの辞書を読み耽り、あたかも生きてることは素晴らしい的な言葉で今を騙すことはしないで、生きるも死ぬも勝手であり、身勝手にいきいきと生き死ぬよろこびに尽きる、と語る父親の酒気、照らす夏の太陽が待ち遠しく、猫の首輪の鈴や風鈴の音が鼓動と混ざり、孤独なんかすぐさま、かき消してしまう。遠い空から外国の音楽が流れて来て、空襲によって汚された家は、自らの重みに耐えきれなくなって自壊していく始末だし、出し抜けよう、と必死な連中の金言のレクイエムがスマホの画面で呪いのように文字化けしたセンテンスをスクロールして避けても尚、つきまとう言葉や文字に呪い殺されてしまう。均等なものなどはきっと無くしたものばかりで構築され、あたかも正しいもののように語られるものに占領され、散漫になる意思はずっとずれたままに荒んでいく。複雑な夜のカースト、混沌から現れる産声や、恒常的な鼓動、同期を終えた機械たちの群れで埋め尽くされた中央道路、倫理観もそこそこに、そっけなく散りばめられた連帯感により恒常的に傷付いた人々に対する無神経な軽蔑により与えられる刑罰、服用する意味の語源や、君の言語が突き刺さる疾しい今に虐げられた健気な人々の意思に関する罪が犠牲を謳い、運命的な形容から放たれ、事実に行き着き、期待感を孕み、愛されていた、という思いを裁くだけの惰性な人々の骸、悠遠を切り取る井蛙な者に接続される観念論に跪くこともなく、理のほとんどは貧相なものであるし、あらゆる諦観を忍ばせ、今に服従させるための幼稚な原理に基づく悍ましいものが引き伸ばされ、些細な出来事を繰り返し敷衍させては、今を蝕み、無垢な者を狩るために他者に借りた怒りを孕んでは、ランダムに消費されるための意味を所持し、意思を迎撃していくようなシステムに加担し、良い気になっているだけなのだよ。