昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

超え出て行くもの

ことごとくのまめやかな立証、所詮私らは蚊帳の外、踊らにゃ損損と損得勘定を伝える微風、論より証拠だ、と喚く猿、深まる夏に捕まえられた未だサナギのままの蝉の気分さ、と項垂れる君を即座に飛び越えるバッタみたいな私たち、立場なんてものはもぬけのからで、問題提起なんかに正義なんてものは存在しなくて、ほとんどは自己弁護か、はたまた自分の権利なんかのためにうるさく付きまとう問題なんか無視して、向こう見ずに突き進む。キャベツの中で眠る幼虫の彼女、独裁国家から逃げ出した猿と狐の集団、マムシたちが叩くネットワークの中、簡単に消費されるオモチャみたいなあの子、アニミズムに侵食された田舎の風景、ノスタルジーなんてクソ喰らえだ、と蛇行運転をしている悲劇的なフリを続ける奴らの最後の恋、コアを失い森をさまようリスたち、違い違いに日々から解き放たれ、弾けるラジカルなレジスタンス、喉仏から生えたコオロギの手で掴む未来、束の間の平穏すら破壊するハンターたち、未来から攪拌され、意識を逆算して、存在自体を自らの手で埋葬する。折り畳まれた未来を開く君の手の垢、降り注ぐ夢の顛末を眺める主体性の終わり、私たちの死を乗り越えた先には、たがいちがいに遺棄された私から美しい未来が咲き誇るだろうし、裂かれた肉から現れる悲しみを垂涎して眺める君が酩酊し続けている。時間により管理された社会は終わり、人々はまた終わりない狩りを続け、ノマド化して、勘違いが及ぼした価値観を屠り続ける。世界の根元から生えるキノコに乗り、論理的な敗者を演じる私のステータスなんてものは、クソの役にも立たないから、その場に捨てて、退屈な夢を踏みつけて、現実みたいなものを殴打しては、冷めた今を俯瞰から眺め、すべてをデータ化する。