昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

命中

終わりに群がる猿、耽溺する君の膝のくすんだ黒、論理的な金、乱立する正解の雨、ゆがんだセリフをこぼすがんじがらめの朝、些細な出来事がデータ化して、加算される原理が病におかされ、忘我から現れる苦しみを補給され、大義が伝達される愛が隈なく波及するような奇跡の軒下でほかほかとした恋愛をひけらかすムーブメントが、世界を横柄に支配して、この世界とは、世界と名付けられた途端に、自分の世界から、誰かの世界になり、世界とは、世界であることから離れてしまい、独立した世界は、世界であることに対しての憎しみやらをたずさえ、ルサンチマンを抱えた世界は、自分の絶え間ない怒りやら嫉妬やら、独占欲に支配され、軋轢を生み出す。惰性で世界に補完されるために産まれた私たちの間、体感すべき君の母性や、井蛙に見つめる先に現れる崖、慧眼を持って睨む空の味、すべてはさじ加減で変化し、相対するばかりで、会いたいという気持ちすら消え去り、誰も愛したことがない故に、誰かを愛することを諦めているような世界の片隅では、かけがえのないものを祝福したり、修復したりして、思いが重たいな、と乾涸びた幼稚な思いが憐憫に触れた途端に、粉々に砕けて、砂に変化した存在は、風に乗り、すべての物質と融和したり融合したり、分散した先では分離するというよりも、便利であることを求めるだけに至るような、利便性を追い求めた結果、すべては駆逐され、くたびれくたばるばかりである。あらゆる変化が迫る凡庸な幸福、開閉する四季の供儀として運ばれる彼女の制限、濫觴する存在の果てにサテライトしている星、壮年にたぎる怒りの住処、法が抱えるジレンマ、毎日に束縛され、持つことを強要され、持つことにより悩み迷うばかりである忌々しい現実のゲノムをいじくり、新たな悪意を生み出すための絶え間ない欠如の最中、境目などなくなるほどの愛の配下から抜け出し、今に超越する。