昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

脆弱な愛

国家という概念を持つ以前に、国というものが不必要であるということ。アナキストは、国があるという前提でしか、国を乗り越えることもできずに、用いられた概念にめったうちにされ、その場で屈従するしかできずに、出来合いの神や君などを崇めたりして、自らの痛みを誤魔化すだけに至る。国家という元々の退屈な囲いや、体系化された意味や罪などでつぎはぎのボロを脱いで、改めて国家というものを捨て去り、自己に帰る。言葉の橋を渡って、故郷に帰る。不憫な意思を引き摺りながら、もう引き返したくても、吹雪で前も後ろもわからなくなってしまい、過去はここに置いていき、徒らに消費されていく日々の中で異物感を抱えてまで生き長らえようなどとは思わずに、煩わしく迫る意味や、君の貪婪な域から逃れ、制限や正義なんかを超越して、厭世観などに騙されずに、誰とも分かち合わなくても、分かり合わなくても、変わりないままに君を愛することは可能で、君を嫌いになったとしても、君を愛したことには変わりはないし、関わり合いがなくても、ここでの思いは永遠で、限界すら持たずに、途端に乗り越えるわけであるし、あらゆる罪を引き摺るだけの連中が示唆する対価や、退廃的な論理が促す呪詛なんかが世界を退屈にして、支配的なものが帳尻合わせるために、戦争やら操作やらを加えては、瞬く間に身動きを取られなくする。くたばるだけの爽快感ある今を硬化させるだけに至るような答えの中から須要なものすらないのに、あたかも確かなもののように崇め奉るだけの絶対的なものすら裏切るからこそ、この命は輝きを増すのであり、信じているものに裏切られようがお構いなしに、すぐさま忘れて、また同じように愛することを辞めずに、諦めずに続ける強靭さや、強固さには、生きることをも超越して、何事にも誤魔化されず、惑わされずに、間違いすらも改めずに、自らの思い通りに進む。