昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

慈しみ

どれが真実かも分からずに踊らされる私たちを砕くワニの顎、閉鎖的な教室の中で風でゆらぐカーテンの白、退屈な真理を縁取る君の小さな手、怠惰な閃きを拡散しては、強制的に貸与されたものを絶対に支払うべきだ、と付きまとう権力の滓、変わりに誰かに抱かれた傀儡たる身体がころがる市街、堕落するために出かける君がすり替える未来や、迎合されるほどに増えるためらい傷の数、大概の理想に支払われる義務的な物が氾濫し、濫觴するものにすらケチをつける生活感などが詰まり流れなくなったトイレ、モラルなんかとっくに潰えた後先、騙し合うことでしか確かめられぬ愛にぬいつけられた心臓、自己弁護を続ける鳩たちが次々と飛び立ち、いらない情報を伝える間に、実体すらも分からなくなって、すべては朝靄に消え去り、些細なことで喪失感などをかかえる君の艱難辛苦や、還元されるだけの理由を混ぜたサラダや、査定されるだけの恋が引き連れる承認欲求や自己愛の末路、毎日のファシズムがへし折る分針、履歴を消去しながら、しなびた返信を続ける私の仰々しい罪の波形や、そこで経過していく理屈や、リセットされるために眠る日々に備蓄される苦悩を取り払うための呪文や、数多のコードが張り巡らされ、電子的に見つめる日々とは、仮想現実であるということを再認識し、この世は光なければ、何も映ることもなく、ただ病的な暗闇が信仰心を煽り、自らという神が、神を乗り越えられない限りは、神に騙され、自らの祝福を祈ることすら出来ずに、与えられた罪に侵略され、自らを取り戻すための戦争を自らの中で続けるだけに終えるし、そこで仕る者の末路や、君の悪路を手助けするために舗装を続けても、誰かが君の邪魔をするために看板を立てて、君の目や意思を盗んだり、意識した途端に速度を落としたり事故したり、自己責任だ、とうるさく付きまとう亡霊たちや、憧憬に浸るだけの嫉妬に駆られた狂気に歪む利己的な住民などに騙される前に、すぐさまそこから逃げ去り、もう捕まえられないようにするために、自らが生み出した正義すら、権力を手にした途端に、即座に狂うものであるし、強請るだけの不純と、不死身であることを求め、枯渇する喜びの儚さに詰まるビジネスライクな答えが体系化し、多大なる悪影響をおよぼし、世界を狡猾に汚す間に迫るアイロニーや、あいまいな心情に咲く花の毒々しい色に虐げられる刹那。