昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

閉ざされた愛

デリカシーもなく増殖していく外からの声、合理的な伴侶からは、殴打を喰らい、これも定めだ、とその場で意思に躓き転び、紊乱な行方に肥大化する都市間の闇を、水墨画で描く橋に座る老人、デカダンスに肥料を撒く農家のお婆さん、乱立する意識のつがいとして選ばれた私に差し込まれた蛇腹のホースのようなものからは、何が見たことのないゼリーのようなものが、ホースの中を凄いスピードで駆け巡っているし、復元されるだけの今から飛び出して、自らに帰り着くころには、自分なんてものは、所詮は、不必要であったなど、と促す研究発表の言葉、途端に木っ端微塵になってしまう私たちの身体、即座に補完される疾しさに群がる一見普通の少女、分散される苦悩により、孕むレジスタンスの数や、様々なものの割合などに寄り添う人々の散漫な動機により、脆くも崩れ去る王国の玩具たる城や国や民衆、たちまちは、瞬く間に飲み込まれて、自我を持つ必要も無い、と鞭をふるわれ、ふんだんに与えられた痛みに寄り添う者など居ないから、自らの怒りにかまけて、自らを見失い、見すぼらしい今を温めるようなフリして近付いて来る君の表情も、全部ウソのように感じる。たちまちに現れた破壊され尽くした街並み、惨めな君の様相などを詰る隙間に、紊乱なものがこぼれ、恒常的な苦しみを生み出すだけの、絶え間ない争いから退き、先ずは、自分の命を守るために逃げるのだ。