昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

恍惚

制空権も無い場所で、僕らは、物憂げな六月の終わりを見ては、減速していく記憶の中で、妨げられていた、幼気な私、有する過程を壊すような、澱んだ喜びの仮数、紊乱な独房と心電図、空間的な海峡を渡る親指クラゲ、電気ケトルで育った小動物たちのミルク、独善的な街に迫る慢性的な供儀と支配とどんよりとした使命と、手当たり次第に迫る家庭や価値なんかが、世界を作り上げやがって、あらゆるガールフレンドは、価値の中での映像の中だけにしか、影響すらも与えられなくなってしまったのか、とうなだれていると、全ては、無残な残像の中で、残尿感なんか感じている暇なんてないのよ、とうっふん的な高圧的な愛を垂涎しながら、押しつけてきやがるから、たまったもんじゃないです、とフクロコウモリや、痩せたサイダーなんかに沈ませていただきます、と深々頭を下げ、もう頭も溶けて、中の餡子が溶け出した7日目の朝、些細な災いや、ざわめきなどは、所詮は、数日のほんの少しの場面のことなのだ、とADのような男に宥められ、ふくよかな時代の折檻を続ける青臭い連中も、偶像とアナグラムのシチューで腹を満たし、醜く裏切るだけの連中が支配する堕落した気配、全体主義に捨てられた一切、チグハグの未来に、朽ち果てた左脳、それにそうように寝転がる右脳などなどが、その場でギトギトに存在しているのであるし、何かを吐露したところで、それは、それだけのことで、それは、それまでのことだとか、と云々と脳内を撹乱して、いまだかつてないほどの、愛がみぞおちにすっぽりと入ってくるのでも、と思っているような気持ちになってみなよ、と言い寄り、つたない愛が生んだ物事の擦れのようなものだよと、それらしい言葉をその場に吐きこぼし、あたかも、その言葉は、その場のものだよという雰囲気で、その場に居続けられるわけであるから、私は、何かやきもきして、その場で居ても立っても居られなくなり、些細なことは、データにそっと書き写し、暗闇に消え去る。