昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

症状

彼女は、完璧に世界を嘲笑って、自分勝手に溜め込んだ、罪の意識や、存在意味などに凝り固まり、世界はやがて、自傷に走り、自らを傷つけることにより生まれる答えのような痛みにひれ伏し、心酔し、崇拝しながら依存し、自らを引き裂くように、誰かを手懐け、自己を懐かしみ、慈しむように苦しみを他者に重ねて、簡単に誰かを壊す。そのような世界の煩わしさの中で、可愛げもなく笑うカタストロフに誘われた連中が示唆する幸福なんかに耳を傾けず、誰かがよごしたしあわせを洗い落としながら、追い求めるほどに食い込む首輪に咽せながら、しどろもどろな日常を擁護するために、労働にかまけ、たむけられた身体を尻目に、精神は、支離滅裂に安堵を求め、狂ったままに自己を引きずり、今を破棄し、意味を漁り、今に意思をうばわれる。そのような場面に屈さずに、泡沫を笑い飛ばす彼女の横顔に潜む余罪、財神に連れて行かれた私は、お金と和解して、綺麗も汚いも善悪も、互いの足を引っ張り、もつれてしまうばかりであるから、今に支配されずに、今をでたらめに生きようが、荘厳や静謐につつまれ、今に席巻されようが、折檻されようが、世界の未熟さに屈さずに、自らの静けさに行き着いたあたりには、値すらなく、ほとんどは大差なく、たいしたこともなく、ただ、ことごとくは、擦れ摩耗し、守るべきものですら、こなごなになってしまうという理解すら出来ないような変身により、塞ぎ込んでしまった私の全くの悲しみは、限りあるものを暗くさせるよりも、誰かにすこしでも光があたるように、と、諦めたり離れたりしながら、したびた意味だ、ビタミンすらない、傷も治らない帰り道だ、返り血もあびてるし、たくさん良いことも、悪いこともしたし、したいことも、したくなくなった後にこそ、生きてることの答えなんかに頼るより、この頼りなくも依存し、弱いが、強きを挫くような負けん気で、今に噛みつき離れないように、強く食い込む。