残りわずかな命、寝返り打つと静かになる帰り道、すがるだけの君の曖昧な答え、忘我に帰する刹那、天鵞絨に包まれた慎ましやかな最後、朗々と促した言葉、定めもなく、はしたないままで、歪な観念を寂寞に返して、この穏やかな今を逆撫でするような奴らがリンクさせる憎しみを無視して、世代間に現れた完全性を超越して、完全であるとは、完全であることを目的としているだけで、完全であることなどに、重要性がないことを理解しなければ、依然として君は答えに拘泥し、答えに囚われ、その答えを信じ込んでいるが故に、事実や答えになってしまっているもののほとんどを、掘り起こし、見返すべきなのに、答えは、答えであることだけが先決で、その答えが、ほんとうは、なんなのか、ということに興味があり、そこにある答えなどは、ほんとうは、存在しないのかもしれないし、存在していると認識しているから、そこに存在していることを証明することだけに、二千数十年もかかったのである、と、喉笛を鳴らしながら、カタルシスに至る老いたネコの哲学者、電気的な愛により、感電してしまった恋の末路、末端では、毒素が潜在意識にまで入り込み、この混濁した世界では、魂胆よりも理想よりも、嫌悪や憎悪のが高く売れるし、簡単に感染するし、安く儲けれる、と、寛容さを損ない続けている人類はやがて、機械的なものに大脳を食べられ、人間であることを辞め、与えられた答えで、満足し続けるような生き方なんて出来るはずもないから、何もないからこそ、大いに笑う。