昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

事実

実体が膜に包まれる原野、破り捨てた教科書が自由に燃やされている巨悪の権化たちの墓、思い出のそばかす、分裂していく過去、枯渇するコア、悪魔的な悟性を重ね合わせたシフォンケーキ、演繹を繰り返した先に現れた父権的な神、現時点から加速していく動機がさらなる展開を出迎えるための多面性、吐き捨てられたエゴ、回転する理由、すり替えられた過去、枯渇する此処や観点、砂漠と化した理由や、約束も守れない君たちの障壁、出汁の出ない青春、飢餓していく結末、手の届かないところにまで迫る魔の手、マニュアル通りの恋、奇跡なんてものは来ないから、奇跡は、自らの手で作るだなんて、適当な嘘をついて、互いに歪み合いながら、リアリティなんてものは死んでしまい、ただ、そこでさすらうだけの人々で埋め尽くされた帰り道、戒律や理解や複製品であふれた品行方正の嘘偽りの焦土、デリカシーもなく迫る過信、貸し付けられた罪、リリカルなネズミたちが走り回る屋根裏、裏切りを吸い込む掃除機、混濁する命、数多の感情の摂理、黙々と刹那を食べる真理に隷属するだけの虫たる私たちの我が家、殺伐とした都会の幼稚な計算機たる機器たち、遥か無知な少女たちのアイロニーを濾過して出来たアメリカンコーヒー、劣悪な環境から産まれた天使の表情、弄るだけの汚い手も、いつかは、誰かを愛でていたのか、と、何か感慨深くなったりしたことへの懐かしさだけで生きながらえて来たわけであるし、分け隔てなく、誰彼構わずになりふり構わずに愛し尽くしてみたい、と、要領の悪い私は数年過ぎたころに、ふと思うのです。