昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

寛解

ずっと大雨の中を孤独に歩いている。答えるのは、対価と少しの快感だけであるし、歩くほどに痛む足と焦燥感、衝動は、依然として正解なんかを謳い、君の意思を締め付け、戒律の返り血を浴び、律儀な空間のふくよかさや、雷に打たれた商業ビル群、くたびれたスニーカーと、誰かの嘘、猜疑心を加速させる思念を利用した燃料で走る車、たどたどしい愛を詰め込んだ廃屋、メタファーを高く買い取る老人たちの衣服を縫う仕事を続ける私は、最たる意味すら、そこで喪失し、真意なんてものは、その場で中庸も保てずに摩耗して、妄想の中で蓄積される災厄や答えや、恒常的な苦しみをハッキングしたり、クラッキングしたり、空白に入り浸る見えない物質をどうやって、信用するのか、と、加算される原理の中で参画するものが攪拌され、怨嗟を用いる歪な神経の仮数虚数、暗澹とした日々にもつれる孤独や類似品や、レアメタルやレアハイドレート、老幼に重なる春の狂気、散漫な崩壊を眺めながら、がんじがらめになった昨日を軌道修正し、逍遥を続ける精神が成否を用いて、君を締め付ける間に、アイロニーは溜まるばかりであるし、あらがうほどに、解けていく割合が、不可欠になる間に、泣いたり孕んだりしながら、干渉する先々では、陰鬱な消費を続けるだけの、堕落した観念が生み出した世界を超越したいと思う。