昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

君の羽音

金星にまで届く愛が、地球に雨を降らすころ、独裁者たちが権力のために、収容所に送られていく悲しみ、幾重にも絡まる瞬間や、消失した所以を弄る根拠や、レジスタンスたちが徘徊する燃え上がる街、痙攣する深夜、形骸化した理論を、聖骸布に変える魔法を執り行う神に囚われた悪意のようなものが、今を模倣し、意思を縛り上げ、身動きを取られなくするあたりに飛び火し続ける憎しみ、硝煙で曇った世界、代償なんてものを支払うためだけに、ためらわずに君を騙したり、維持したり、歪な信用を謳いながら、誰かの自由を奪ったり、失うものばかりの日常の中で発生する苦しみのようなものを縁取る体系的で、退屈な指、何かを覆すことにより現れる物陰、意思が生まれることにより、憎しみもまた増していくし、居心地が悪い今に降り注ぐ情念の火花、行政的な錯乱やら、撹乱し続ける先に現れる終末論やら、忘れ物やら、ままならぬ今やら、屈辱にあふれた今朝、原理的な敗北やら、はびこる悪意や、革命的な司教が織りなす過程により、私たちの善悪は、めった打ちにされ、些細なことで、苦しんでばかりいるし、理解にも至らずに、陰鬱な消費を繰り返しては、制限ばかりを生み出す。