昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

深まる自己

ふるさとも失ったウサギたち、牛たちは静かに呼吸をやめて、病んだ夜にちぎれた昼をひろいあつめ、やかましい冬がすぎて、姿形もない夏が死んで、綺麗な銀紙にくるまれた朝靄に溶ける秋が嫌いで、春はずっと透明だから、なんか好きなように思えてきたのと、ノイズまみれの中で裸で泣く君がふかすタバコの味や、有する過去と結婚したから不幸せそうな君は、伸びた髪に絡まりながら、かがやく星空の意味すらわからずに求める意味とは、退廃的な対価を求め、価値観での戦争をはじめるための国家を設立して、憎しむための国境を生む的な思春期的なペシミズムと、ノイジーな技法を用いたナルシシズムが誇大妄想を発展させ、超巨大なルサンチマンを形成するような眠れぬ夜に、なよなよした影がチラつき、意識に枷をはめるから、一過性のものを信用し、誰かを陥れるために、誰かの言葉をためらいもなく借りるから、この世界とは他者により汚されるというよりも、自らのエゴにより汚されていくのであって、迎合されるよりも早く、自らの意思により、自らの世界とは壊されていくのである。