昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

愛されるための雨

ネズミたちが徘徊する下水道。深夜にシンクロする思いを複製しては、スニーカーについたガム。バラバラになった彼女の身体と新品の服。記号的な彼らが縁取る性的なもの。複合的な奇跡を踏みにじる独裁的な選民思想により、支配的な排除を目的として、補完的なジェノサイドの波。派生する真理を多目的にうばうだけの動機がドラスティックに迫り、互換される思い出が軽薄にむすばれ、無重力になった過去から引きずる身体。曇天の彼方でつながる不確かな私たちの世界をつつむ愛。叙情的な鐘が鳴り、世界も終わると泣いている女の子たちの群れに遡求されるものが、物語を何度も壊して、今を駆逐していく。万物は死するのではなく、誰かの中で永遠に生き繋いでいくことで、生命とは、永遠をも凌ぎ、宇宙から飛び立ち、果ても持たずに、ただ突き抜けていく。銀河を飛び交うハエ、君とのキスの味。あらがうほどに補填される流用されるための紛い物の愛と、疎外されるだけの日々に徒らに利用されるだけの日々にかさばる躊躇いなどが、止まらない苦しみなんかを蓄積させ、意思に枷を嵌める。悲劇を伝える痩せた猫たち。希望と革命の間では、愛は痩せ細るだけだから、猫たちは、その悲しみを伝えるために鳴いているのであるのである。現れる悲しみを食べる君たち。高揚感を攪拌させ、季節を踏みにじる憧憬。合致しない使命感と共鳴し、半狂乱になる君たちが崇拝しているニセモノの連中が乱立させる気配に従属するだけの惰性な機械兵たちが、ガシャガシャと鳴らす足音が聞こえる。最後の時を捨てて、生きようとする強い目で、最後のタバコを消して、脳天に突き刺さった槍を抜いて、力付くで抑えられたここから抜け出して、打算的な気配をさえずり、生きることをうばうための権利なんか放棄する。