昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

むくむくの身体

この世界は食べごたえがあるらしく、君は無垢な歯で、この世界をガリガリかじる。この血を煮えたぎらせ、没落したい、と願う私に迫る忌々しい結末に屠られるために謳われた理由からの決別を終え、退屈な概念なら瞬時に消し去り、獅子奮迅の活躍を続けるために書き続ける先には敵すら居らず、なにかを選ぶ暇すらない。真実などは誰にも見えておらず、見落としてばかりいて、見え透いた嘘を信じ込んだり、混濁する頭の中で回転する過去などから解き放たれ、自由に至るべきである。真理を捨て去る夜、度重なる愛が普遍性を屠り、不甲斐ない日常を鎮圧させる多目的の夢、膨れ上がる最後の描写、結末はいつも誰かの涙で締めくくらられるだけの寂れた夜に備わる方法論を破棄して、さ迷う泡沫の余韻、迎合されるだけの罪を呼び覚ますだけの意図から放たれ、最たる意味にたどり着き、傷ついた君を覆う翼のぬくもり、寝返る値段、審美を問う歌が、この老いるだけの身体を包み、つたない一生に培うものが、土塊なんかに変わり、その場で崩れ去り、風に飛ばされ、その場には何もなかったものに変えられるだけの忌々しい結末に住まうコードを漁る悪魔たちの角膜に住まう傍観者、何に感謝すれば、この日はすばらしくなるのか、と泣き言を孕ませ、過ちを加速させ、意思に枷を嵌めるよりも、すぐさま歯向い、立ち向かう先を阻めるだけの出来合いのものを駆逐するような快楽の出現により煮沸する生涯が、今を瞬時に昇華させ、カタルシスに至らせるあいだに、目的や手段なんていう、うわべだけのことごとくを掬い続ける手のひらには、何が残るわけでもないから、と自棄になる君の憶測がアクセスするものが暴走し、自らをも傷つけ、欠乏し続ける精神は、何かで埋めるほどに、穴は広がり続け、何で埋めても、虚しさばかりが生まれる。