昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

錆びた国

海老の髭で弦をこしらえたギターを弾く。夜風にまどろむ絶え間ない人生の汗、君が枷を外し旅立った悲しみにより、ブカブカになってしまったマルタンマルジェラジーンズ、くたびれたスニーカーにからまるトイレットペーパーや、落書きだらけの身体から捩れる記憶、テレパシーやソシオパスや、焼け爛れた肉が飛び交うバーベキュー会場、犠牲的な腹から産まれたのよ、と読み聞かされた私のシンボルは、父親的なものではなく、病んだ母から注がれた確かな血のようなものをあびて、火傷した肌からあふれる蝿の王や、荷車に乗る遊女や、約束を詰め込んだカプセルなんかを飲み散らかすけったいな私の詩情により出来た豊かさだけが、今を確かなものに変えるし、モネが描いた百年先の孤独に住まう私は、やがて滑落していく身体を支えきれずに、老いには逆らえぬ、と諦め腐るのがかなわんですから、勝手気ままにカットオフされた髪の毛を振り乱して、逃げ惑うんが摂理なわけで、このたった一度の人生も、やがては新しい身体に書き込みを加えて、半永久的に生きるような時代が来るのであって、サイバーパンクな世界を生きるために、セックス・ピストルズからやり直して、ハードコアな人生にラメを振って、古めかしい儀式を再認識するような再生事業を執り行いながら、ストレートエッジになんか傾倒せんと、好き勝手にやりまくった先には、虚しさなんかがあるわけがなく、さらなる喜びが不健康そうな笑顔で私を吸収し、根幹を腐らせ、生きた屍に変えるための脳内での闘争により、ふかまる闇が規制や犠牲を謳うことに対する戦争により、体制側は崩壊し、私たちが跳躍し、超越するための世界を再建するから手を貸してください。抱き合う二人の消費的な愛、ショービズにより消耗した歌姫のかけら、わびしい信念がつつむ裏通りで敗残した私たちの復活祭。