昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

幻想的な倫理観

抵抗を続ける世界の足音、軽薄な論理を話す小姑たちの荘厳な金歯、罵声を促すカタストロフの青、みちびく証拠に恍惚とし、吐瀉するほどに増幅していく幸福を感じる過食嘔吐の喉元、オイディプス王と暗澹とした宇宙をつなぐエレベーター、あいまいで不吉な言葉を話すギリシアの詩人たち、迎合される真実のために毒人参を食べた最初の人間たるソクラテス、鬱積する過剰な精神のたもと、たじろぐ浪費的な君の財布がカパカパと煽り、情報が促す数々の商法、即座に灰色になった情念の刹那、ないがしろにした面影の一体感、言った言わんで喧嘩している夫婦たちを尻目に、娶る思いが途端に酩酊を繰り返し、可視化する意識が価値観なんかを押し付け、今を縁取る君の指先、フリックされては消え去る過去、ここでの面影を司る幼稚な神と夏の気配、確かなのは、自分とは不確かな者であるということだけであり、そこでは理などはなく、ただ霞むばかりの毎日と、いびつな観念が根差すものによりくたばり腐るということだけが、固執する者によって閉塞的になる現代の病や過ちなどが加速し、枷になるだけの意味や、そこでまどろむだけの今や、古びた過激な理想を掲げては、かかえた闇をふくらまし、今を飲み込み、価値観なんかを書き換える理想、理性すら即座に失い、ただ破壊するために枷に変わる理由が流動する。霊廟から聞こえる歌声、嬲るような衝動を食べるソフォクレス、銀河からこぼれる人々の夢や幻、いらだつ頭からは絶えず破壊的なまやかしが現れては、やましいものを形成し、あらたな過ちを次々と生み落とし、滔々と結ばれていく私たちは、立場などを破壊し、退屈な意味などを押し除け、自らに帰り着く。