昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

濃淡

軽薄な理想をたずさえ飛び回るスズドリ、悲劇的な雨により流された家、マグマに飲まれた幸せそうな家族たち、ハムストリングとは、何か諸外国の食べ物みたいだね、と笑う子供の泡沫、貧相ではあるが立派に思えるこの命に集約されていく明日、君の笑顔は夏に合うと口付け、宇宙が生まれたことには、なんの意味もない、と語るニヒリズムに犯された分岐点、ハルモニウムが奏でる旋律、輪唱されるマントラによりトランス状態に至る秋のうねり、新たなウイルスに支配された街並みの滓、青椒肉絲の湯気がゆらぐ木製の机、暴走する真理が審美眼を傷つけ、すべては汚く歪んだものに見える、とうなだれる君の横顔の美しさに戸惑う私のトマトみたいなこぶし、わびしい雑居ビル、乱立する過程から漁られる意識的な犠牲と謳われる正義の屑、世間の中に居れば薄気味悪く、薄っぺらいしあわせには吐き気をもよおすし、若いだけの奴らを押さえつけるだけの教育っていう信じられないものを崇めて、ただ群れるだけの馬鹿みたいな連中がうながす情報を遮断して、釈迦如来みたいに生きる。f:id:jibmfmm:20210815080527j:image