昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

余波

ありったけの絶望を詰め込んだ生活、軽薄な理想を企てリセットされるだけの日々、接続されて目覚めるだけの意味を加工しては、あたかも生きているかのように仕向けられては、健気に散る君の理想などは、大切にすらされずに、すぐさま破棄される。落ち葉に埋もれた感情、しどろもどろな今に女々しく突き刺さる無垢な憎悪、思わずして動物的に恨む連中の支配から取り残された君が飢渇するまでのまどろっこしい情念、たまる汗の池やノスタルジーな風景、永遠性の虜になった君が詰る主観が完成されないままに、法則からかけ離れていき、誰にも捕まえられぬように、または退屈な答えなどに支配されないように、と願うだけの彼女たちの奴隷である私たちに蔓延る悪意は、バビロンのせいだ、と責任転嫁するよりも、なんらかの解決方法を探る。雑踏を駆け巡る野良猫の欠けた耳や尻尾、大きなビルの影が近付き、朝や昼の終わりを告げる裕福な瞬間、たとえ何かを買ったって瞬間的な満足により、次なる欲がきたって、好きなものを買い続けるだろうし、買わないからって、満足は埋められるわけではないかも、と埋める埋めないではなく、奪われるか奪うかであるのだ、と略奪愛に燃える彼女の目は、獲物を狩る猛獣の目であるし、あらゆる猜疑心を下腹部に抱えた悪魔であるし、あらゆる記憶を下半身によってしか覚えられないような男たちの虚栄心が降り注ぎ錆びた社会のギーギーと唸り、倫理観なんてものは、はじめから存在すらしていなくて、政治利用されるだけであるし、退屈な意味を添削して、恬淡寡欲なままにプカプカと浮かんで、猫の鳴き声が氾濫する夜明けに、何か幸せなものすら超越するようにスヤスヤ眠る。