昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

完璧

定義されるものに吐き気を催す彼女の慟哭、瞳孔の真裏で敷衍する普遍的なものへの憧憬、ヘラヘラしている男の隣りで、むずかしい顔をした彼女は、別れを確信すりる。蓄積する筋書きが饐えた匂いを孕んだ夏の朝、畜生たちがうごめく試練、身体中は落書きだらけで、徒に消費した精神はズタズタで、怠惰な感情には似つかない筋肉の鎧を身につけ、年老いて、錆びついていく忌々しい現実から逃げ回るように、自分に嘘をついて、若作りするつもりもないが、したいように、したい格好をし、若い妻を持つために、街を徘徊する君の進路、邪魔をする真理が字余りになり、あまりある答えがリアリズムを引き剥がし、解消されない苦痛により、人が導き出す答えに正解などはないが、正解でもあるし、あらがうほどに正解や世界などは存在せずに、せいぜい収まるところに収まり、際限なく苦しみを波及するのではなく、よろこびを蔓延させ、果てしない幸福を呼ぶ、と嘯く連中も、幸福がなんであるかも理解できずに、出来合いの真実を崇めるほどに、何も見極めることもできずに朽ち果てる。中指立てれば、歌えない歌も歌えるようなるって語る君の季語、互恵を続けるためにむえきながらも生きながらえることに重きを置き、趣ある故に錆びつくまにまに、マニュアル化していく愛を尻目に、奇跡を待つだけのあなたに送るアンチテーゼや、あいまいなものに苦しめられないように、と擁立する不自然なものによる大義を突き破り、自分自身すらも超越し、世界全体を自分のもののように扱うことの愚かさを危惧する者こそ、世界を自分のもののように扱っていることに気付くべきである。すべては思い通りにはいかないが、すべては思うほどに通りは良くなっていく。