昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

消費的な恋の密度

心許ないもたつくだけの私たちの悔悟、修羅をひたむきに走り、理念などを放棄し、あらゆる愛の卵をそだてる鳥たちの鳴き声、観覧車では感覚が麻痺したグノーシス主義みたいになってしまった彼女が肥大化する妄想とリビドーに打ち勝てずに、ただ愛するという技術すら喪失し、意識を漂わせる。与えられたものと踊る彼女が得たものは、腰のあたりを嬲る鈍麻な刹那であり、乖離していく彼女は、理解を得ようなどとは思わずに、違う自分を受け入れ、傍観し続ける意識が浮遊しては、敷衍していく意識に張り付くまどろっこしく粘り気ある愛からは逃れられないのだ、と洗脳し、支配的な愛の配下になるためだけに屈辱に耐え、たった数秒ですら、耐えがない痛みを敷衍させ、今を苦しみで加工し、硬化する意識は、儀式的なものの供儀になるためだけに、まとまりもない意識を止めどなく波及させ、今に組み込まれるものがことごとくの血溜まり、噛みつかれた右腕から毀れる夏の汚穢、数多の均衡を捻じ曲げるための閃き、誰かの傀儡としてだけ生きるような視点から這い出る予感、余白をうごめくハチドリや、襤褸を着込んで疲憊する昨日に縋り付く私の最後、馬の蹄の音や、孤立した花との呼応や、幽遠を徘徊する悪魔、意識するということは分裂を巻き起こし、自らの意思の中に竜巻を起こし、自らの身動きを取られなくするために生み出された君の舌の上で踊るピアスや、君の退屈な商法に紛れ込んだ惰性な屈従により引き伸ばされた愛は対価を求めるだけに至り、ただ私は誰かに愛されるべきだ、という欲求にだけ振り回される。包括的な黒色に包まれ、理解を超えた刹那的な愛の復旧、今までのデータを書き換え一新するにまで至るような愛による昇華。