昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

白夜

泣き叫ぶ原理が沁みる。現状維持を告げる口内炎の中に住まうカルトな連中が崇めるチャールズマンソン、ミミズ腫れした昨日の丘を飛び跳ねるウサギたち、そのウサギたちの毛を刈るために殺める人々の渦、短絡的な憎悪により疎外された世界観の痕、たちまちに現れる空腹とカオス、プラスチックで出来た彼女たちの正午、空気感染する浄土の記憶、着膨れした冬の彼方、ロケーションは無限大で、ロケットで月へと帰国したかぐや姫の互恵、縁に吹っ飛んだ誕生日の喜び、虫歯の中で育てたアンニュイな記憶、あらゆる季語を食べ尽くしたアンドロイドたちの夢、砂漠を歩く描写の後に迫るネガティブな浪費、輪唱される真理の卵を集め、憎しみを寄せ集めて作ったケーキの上のイチゴの気分だ、と泣く君の隣では、さらなる不幸が起き、応用されるだけの真実にサインインして、歪なプログラムが打ち出す、こうでなければいけないなどという幻想から解き放たれ、ここまで築いてきたという幻に気付かないままでは、世界は終わる、と語るような詐欺師に世界は奪われたままだし、マシなことなんてありもしないから、信じてみたくもなるだろうし、馴れ合うほどにボロボロになる私たちの過剰に愛したものなどが往々にして存在するのだと、野ざらしな記憶のカスから生まれた天使たちが頓挫し、惰性で突き動かされていたに満たない汚い今に危害を加えるだけの退屈な対価を蹴散らして、自らが生み出すエゴから解放され、よくあることだ、と騙される前に、自らが打ち出すものだけで、物語を強固なものにし、羨むことなどなく、妬むだけの連中の天秤にかけられることもなく、答えが半狂乱する口内炎の海で輪唱される神話を打ち砕き、粉々になったものを鼻腔で吸い込み、気管支に生える松の木や、雨に打たれた家畜たちの悲しみや、企業的な過ちや、無知ゆえに切り取るだけの奴らが示唆する支配的な数多の事柄の横柄さに嫌気がさすから、刺し違えてまでも、夏の汚穢をバケツいっぱいに被って、この世と対峙する決意よ。