昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

恒久的な襞

否定的な襞に吸い込まれる。過去はどこにもいかずに、そこで朽ち果て、定位置に引き摺られ、ズタボロになり、空白になる部分と、明白である今との境目を駆逐する自分との対立から、余白を埋めるために、余る自分が打ち出す距離が、恋しいだの、うとましいなどと嘆くよりも早く逃げ出すことだけが、今から超越する。するりと原理から抜け出す。抜け駆けする先々で殻と核を残し、ねだるだけの君との距離などは埋めずに、愛すれば愛するほどに敷衍する恨みつらみなんかが、現実に媚びへつらい、平衡を保とうなどと、情報を神として崇めるから、今に囲われ、焦って動き回るから、自分を見失ったなどや、自分探しなどと騒ぎ立てるよりも、そこから動かずに逃げるという隠遁に至らぬから、いつまでも追われているような感覚からは抜け出せぬままであるという、冷然たる考えの最中に思考の中で磔にされる自己との距離を埋めようと迫る君の悔悟などは、不必要であるし、そこで認識している世界というものから抜け出さないかぎりは、考えに抑え込まれる。永劫の中に閉じこもり、迎合される自己との訣別を迎えて、真理を破砕し、ちらばる意識がバラバラになり、波に変わり、夏を終わらせるような一撃を加える。抵抗し続ける先に苛む忘我には腫れぼったい、若いだけの自分が疎外し、散漫な意識は、昇華されるよりも、世界との調和などになだめられて、なあなあに自分を抑圧するのが、正しいことのように騙られ続けてきた神話や道理から外れ、外宇宙に旅立つ。意図されたものを孕んだ惑星、記憶をすなどる空間、配された後には敷衍していくだけの意識は加算されるものに調整され、徒らに今を食い散らす。後先に転じていく枢要な事実すらも、消え去れば何もなくなると、ニヒリズムにひたるだけの思いが乱立し、輪唱される言葉に騙され、惰性に導かれる未熟な動機から遠のき、果てや先を持たずに漂う。