昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

渦巻くもの

膨大で無機質な闇に侵食されている身体を他者の目を借りて傍観しているようだ、と語る彼女が際限なく分裂していく襞の中、際限あるものが持ち込む答えが影響することもなくなった深い闇に備わる森、ホーホーと鳴く梟の憎しみが生んだ満月、万華鏡を覗き込んだような幻覚を見ている君の奥底の契りを突き破るほどの男性的な権力の象徴、恥じらいを攪拌する君の眼球の真裏で製造される愛の波形、経過していく一部始終が繰り返し同じような出来事の中でしか働きを加えられずに、勘違いを乱立していく不自然さを調律していくピアノ技師の悠遠と、数多の俯瞰からこぼれ落ちる果汁、均等な意思を孕んだ母体から産まれる詩的な子供たちの憧憬、ランダムな意味がうずくまる先では欠如を謳う管理された君たちがたらい回しにされることにより、世界的なリビドーが加速し、知的な綻びや、怠惰が故に不吉なシンドロームを絶えず生み出す脳内のタンパク質や網膜で磔にされた鷹や犀星の群れ、無数の調和により悲哀に満ちていく宇宙の進路、たくさんのやましさが屹立し、咎められた先で生まれたニセモノの連帯感に加担するほどに増していく憎しみの背景では、扇動するだけに至る者が擦り寄り、互いを羨むだけに至るような退屈な対立により生み出される軋轢などに踏み台にされ、憎しみばかりを加速させ、意思に枷を嵌めて、世界を狭めては、行き先も失い、先々では、対比される君と回避できない意味の間に生まれる差異などに苦しむばかりで、一向に先に進まない対話の中で猥雑に介在する意味が不埒に降り積り、肥大化していく憎しみの端々で交換される言葉が過渡期を迎えて、蝕む苦痛により痛む身体が一体化などを求めては、退嬰的な者が謳うものに引きずられていくことにより構築される抵抗だけが、自分の味方であるし、抱えた大義などは、正義を歪め、悪を捏造し、暴走するだけである。