昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

突き刺せこの体に

保たれたものすら死んだ夏の日、そこらに転がる薬莢と、知らない画家の絵がかけられた土壁、カビ臭い冷蔵庫の冷気が漂う狭いアパートの一室では、腐敗臭と憐憫にあふれ、何か神々しいものすら感じる。モノクロームな記憶を這いずる赤子たる自分を俯瞰で眺めている。懐かしむというよりも、もうすぐ出迎える死に似たようなものが、今に値段を貼り付け、あたかも生が価値のあるようなものに仕立て上げるような綺麗事が渦巻く大衆的な普遍性こそ、不衛生であるから世界自体に蓋をし、その不快な匂いを嗅がないために引きこもる彼女の母胎で眠る夢を見て、何が現実かすら訳もわからなくなった間に蔓延る悪意のようなものが憎しみを絶えず波及させる。厭世観に媚びた待ち人たちは、自らを改めることをしないで、誰かを責めたり、世界に自分の責任を押し付けたりして、自分を正当化している。自我すらデータ化され、それを書き換え移し替え、新たな身体に入れては、永遠に生き続けている経緯すら不明で、情報の中で繰り返し出し入れされている快楽的なセンテンスが加速しては、はびこる悪意が機械化し、すべてを蹂躙するために修羅に落ちた彼らの覚醒から、能動的な破壊に浸る彼女たちの死んだ感情などを貪り食うための値などを加速させるための大型の機械が生み出す宇宙の始まりと抱き合い、刹那に結ばれる二人は、永遠に制限されずに、ただ愛し合うために暴走し、愛するための闘争を続ける。そのように継続される愛の配下として、延々と悪意を意思に組み込んでいく不死身のパトス、牛耳る行き先で不埒に結ばれた若い生命体は、自らの未熟さにより詩的に今を昇華させ、誰にも捕まらないように、愛を加速させる。愛が枷にならぬように、とあまり愛さないように仕向ける自己を破綻させるまでの軌跡、よくあることだ、と宥める君の目も、何かを定め、そこで永続させるべき愛も、外から持ち込まれた価値により、そこで保たれるべき愛も、誰かが率いたルールに破壊し尽くされる。軽薄な者により迫害される幼稚な仕組みにより、とめどなく波及される痛みが際限なく苦しみを与え、そこでもたらされた愛にすら反発し、何かを憎むためのコードを自らに書き込む。逃げ惑う君のミリマリズムで表現された空間に巣食う幼稚な仕組みが謳う軍国主義に並行する宇宙に現れたまやかしの価値が、自分こそが価値があり、誰よりも勝るという幻想を打ち砕かぬ限りは、真実の愛には至らずに、愛を見つけたとしても、自らの醜さにより、すべては歪んでしまう。