昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

薄情な月

官能的なマリネの中での凡庸なタマネギのような私だ、と卑下する彼女のワンピースが風で踊る。この世にさんざめく現象のほとんどを掴んだ右手、シナプスで加速する小籠包みたいな赤血球、顕示欲が肥大して生まれたのが国家というものである、と告げる学者たちの荘厳な掛け声、ラクシュミーが現れ、羽化した感情が無辜なままに昇華し、詩的なバルサミコ酢をかけられた子羊の足の肉の中での悲しみを複製しながら、ニヒリズムに苦しむ上限を謳う金利を突き抜けるほどの喜びを絶えず波及させ、吐き出す衝動がクリミナルなものを劈き、うとましいリビドーを過保護的に抱きしめる無知で白痴な者を演じる先では、解体されるだけの動物たちの慟哭がなびき、収容所よりも恐ろしいような生産的な死のサイクルがことごとくを破滅に追いやり、資本主義的な衆愚によりカスタムされた政治的なプロセスの中では、道理もなく、倫理すら破壊され、構築される怒りだけが次々と運動的に快楽的な殺戮が行われるだけである、とサックス奏者がジャズ的にことの顛末を告げるあたりからは、何か爽やかな劇薬が降り注ぎ、意識する間もなく、擦り寄る魔物に食い尽くされてしまうだけの末路に現れるファシズムの脅威に打ち勝てずに、凍てつくひ日の中で構築される女々しい末路で虐げられる私たちの忘我に迫るアンチテーゼや、補完されるために続ける労働の尊さなどを謳う仕組みを強固なものにするための教育や、普遍性を不潔なものに変えるための闘争に扇動する革命を履き違えた遊び場から、過半数の信用を得た途端に、悪魔に変わる君たちが見た血により閉塞感が増していく今に卑劣に迫る整合性すらなく、視野を失わせるための掘削機がうごめく。誰もが真実を損ない、行いの中での罪に苦しむだけの日々、紊乱な動機を加速させ、勘違いを生み出すだけの戸惑いのネオン、乱立する正解を包む聖母の手、成り行きのままに磔にされるだけの命には、祈りすら届かないの、だ。