昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

日常

繁華街で煌めくドンキーのネオンと毒素、ちらばる裕福なナショナリズムの西日、紊乱な初期衝動を加速させるパンクミュージック、群像にとろけるニセモノの不良品たちのアニミズム、アニマと眠るユングの誇大妄想をひけらかすムード、朗誦される真実のどれもが、誰かや何かの奴隷である、と敷衍させるサックスの音、オッペンハイマーが破壊した島国の優しさ、火傷した母のぬくもりの抜け殻、ガラスを踏んだ少年の憤怒が思春期の絶え間ないリビドーに似ている、と惰性で取り組んだ犠牲的な正義により、抑圧されていた日々の衝動性がクシャミに変わる原野、焼け野原になった君の今日、狂言じみたロジックに招聘された君の罪のリミット、らんらんとした目で睨みつけることごとくの亡骸はがらんどう、ランドセルがガチャガチャ鳴り、放課後の楽器隊たちは、ゲームの世界に帰って行くのか、と何もない夕餉、皮肉によく似た季節が食い込み孕んだ愛に対比されるものなどはなくなり、どれもが似たようなものを意識下に散りばめたりしながら、メタファーに展示される遊侠や、やさぐれた真理が目覚めさせる究極の合体やらが、回転していく星座、塔の中に引きこもるヘルダーリンとの対話、受胎告知をくちずさむ聖母のような寂しさ、贖うどれもが、誰かの惰性なミルクのような味だ、とファンクで踊るアフロたちの諸行無常がなびき、空回りするバイクの音が消費され、やがて優しさも潰えたあたりから、また新たな優しさが生まれるための筆圧にだけ詩人とは存在できるのだ、と。