昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

亀裂

がんもどきみたいな猫と会話し、一日が終わる。初々しく冬をかいつばみ、襤褸をまとい、ミニマルなものを強要する春を迎え撃つために、手当たり次第に当たり散らす最後のシーン、誕生日をぬぎすて、簡単に消費されるだけの日々から脱走を企て、惰性に導かれる喜びなんて所詮は、其の場しのぎのものであるし、この豊かで何もない日々だからこそ、何も求めることはないし、求めるだけの愛なんてものは、タコ殴りにして、支配的な余韻に教唆する輩の言うことなんか聞きたくもないし、機械的な教祖が促すものに焦燥感なんかを感じては、甘美な結末に備わるエゴや、ゴーギャンが描く簡略化された黄色の波形に導かれ、過剰な論理を崇めるための体系化により、答えは怠惰になり、ぶくぶくと太るだけであり、あらゆる論調が謳う便宜的なものにより生み出された体制は歪んでしまい、さらなる痛みをふくらまし、今を騙すだけに至る。恋々として下向く君の号哭、孕む先に現れた強度と、そそくさと消え去る先に現れる闇、むやみやたらに愛した肖像と、あらゆる偏見を包む繭、緩やかに消え去る証拠や、答え合わせをせずに、センチメンタルなものを抱えては、今に堕落していく。意識の鍵穴に差し込む鍵を無くし、さまよう身体も痩せて、簡単に風でひらひらゆらぎ、簡単に吹き飛ばされてしまう。時代的な顛末をまたぎ、あらゆる意味をねぶり、燦々と輝く陽光に包まれ、生きてるだけで満足だ、と嘯く。