昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

旅路

孤児たちが紡ぐ末路、道路には太いタイヤの跡が生々しく、腐った木が吐く毒に塗れた過去が映し出す連帯感や、倦怠期を迎えたカップルのような退屈が体系化し、ケルト神話にからまる古代の戦争、たちまちに現れる虹の橋を渡り、スズメバチの大軍が待ち受ける最悪の砦を打ち砕き、機械的なビルが立ち並ぶ近代的な傲慢さに耐え、耽溺を続ける湖で待ち受ける巨大な毒蛾たちを払い除け、ゲシュタルト崩壊した彼女の叫び声が響く洗面台の狂気を飛び越え、悪趣味なハスラーたちが立ち並ぶ夜の街にひしめく第三次世界大戦の鼓動、あらゆる奇跡を踏み躙る戦車の旋律や、約束を破るばかりの国の屑、仮想現実にとどまる君の慈しみや、幾分かの猶予を切り取り、捻じ曲げられた情報を信じ込む歪んだ価値とカタルシスに至るために、消費行動を続け、捻出される差異や過ちなんかと乖離する過渡期や、悔悟を謳う坊主たちのふところにあふれる札束、バルガーな連中が引き裂いた間にから現れるシュールレアリズムな物体、それは君の誇大妄想かもね、と促す畜生の滓、吐瀉されるために屠殺された動物の恨みつらみにより加速するルサンチマン、理解を飛び越えた途端に、未来は切り開かれるだろうし、狩られるだけの君は堕落するだけだろうから、駱駝に乗って、あまりある日々の中で快活に生きるための方法論を打ち出し、堕落するよりも素早く逃げ去り、戦うよりも、愛するということを学ぶべきである、と促すエーリッヒフロムの語りかけや、かけがえのないものを奪われてまで保つ矜持とは、なんぞや?と手当たり次第に当たり散らす獣たちの玩具になんかなりたくもないし、けったいな輩が示すファシズムなんか味噌汁の具にして食っちまうし、捲し立てるほどに虚しさの虜になる君が幽閉されている部屋の隙間の光りに対して用いる憎しみを越えて、さらなる愛を求める旅の途中には、綺麗なものなどひとつもないが、何故か嫌いにはなれないのだ、よ。