陰鬱な今に跪き、焦熱を繰り返す域から吐き出される原理的な症状、近代的な鐘の音が鳴り、みんなは牢獄に帰る時間。自堕落な弊害を受け入れ、経過していくだけの日々に萎びてしまう花、あらゆる形跡を消し去る動物的な根拠、規制されるためにもたらされる悲しみの強度、たちまちに現れるのは、不機嫌そうな過ちを加工し、それを芸術的に昇華できない限りは、自らの闇や病を自らの内部で育てるだけに至る。恐慌が迫る地球規模の破綻、解除不可能な愛がもたらす閉鎖的な希望、寄り添う玩具が返り血を浴びて、抵抗すれば抵抗するほどに食い込む刃、バイバイとうなだれる恋人たちの垂れた首を撃ちぬく兵士たち、おなじ土地の中で葬られるための邂逅、誰もがおなじ位置にいるのにもかかわらず、ただ恨むべき対象を見つけては、自らの不倶戴天の敵に負けてしまうから、君はいつまで経っても中身がない神のようであり、ただ権力的な犬歯でガブっと噛み付く間にも、さらなる過ちを続け、大衆的なものに支配された君たちの罪は依然としてまがいもののままであるし、出鱈目に愛した記憶が新たな世界を作り直す。神に選ばれている、と勘違いしている君の隣に腰かけ、世界的な過ちを葬るために祈る彼女の手の中で育つ新たな生命、それが宇宙の誕生の秘話なのである、と蝕まれた頭で即座に強要される価値に手のひら返しして、世紀的な旋律にゆらぎ、ふくよかな大地を愛しているし、星の臍で眠り、輪唱される神話などは無視して、根っこのフワフワや、複製され続ける雲や、空腹や空席を埋めるために手を繋ぎ、桔梗の色があざやかになり、そこらじゅうに紫色をばらまく隘路を進み、気概すらなく、気配も無くし、スラスラと嘘をつき、独学で詰め込んだ悠長な今にひけらかすものは、ひとつもなく、何かを押し付けることもないし、何の当てもなく、このすべての始まりに基づく言葉を構築し、新たな言語に包まれ、全部を理解した先には、誰もが何かを咎める必要もなく、誰もが誰かのために働きかけ、健気な愛に帰り着くのである。