昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

階層

正義の犬が走り回り、身に覚えがない犠牲者たちが、次々と噛みつかれる始末に、正義自体は、自らの正しさを証明しただけであり、証明するためには、正義を振りかざして、犠牲をさらに生み出すことを厭わない、と抜かしてけつかるから、噛み砕いた後から現れる心音やシンフォニーや、数多の結末につかまるエレジーが空を飛び、自由自在に世界を変化させるためには、何も必要ではなく、変化を恐れなければ、すべてはめくるめく進化し、更なる飛躍を遂げる。矜持を捨て去り、胡散臭い夜に通過する飛行機や、ナナフシが踊る廊下や、起源すらなく、ただただ逍遥を続ける意思が紡ぐ退屈な未来におとずれる対価や開花の後、買い被るだけの日々がずっと散漫な狂気を伝え、延々と引き伸ばされる命が次々と裁かれ、対価がなんだ、とうるさく付きまとう価値が押し付ける安易な正解により、こびりつく痛みや、ごまかすだけの日々の彼方では、いじらしく交わる物事に加担するものが、散々だ、とうそぶき、卑屈になるだけの意味合いの中で過信するものが、加速を続け、走り去る先では、苛むばかりであるし、再会をよろこぶよりも、最愛なものすら失い、喪失感にただよう意思が雲に乗る。偶然の偏りの中を泳ぐ魚、刹那に分離する実体にさまざまな記号が別れを告げ、バラバラになった世界で、クラゲのように生きて浮遊し、愛が枯渇しただの云々と、昔年の恨み辛みが、そこかしこでひけらかす憎悪をカスタムして、この世界を走りやすくしました、と容易い日々だ、誰もが同じような豊かさを可視化させるために、求めてばかりいる馬鹿で埋め尽くされているし、磔にされた承認欲求の滓や、しおらしく結ばれるカップルたちの化合物が降り注ぎ、破瓜型の人々が悠長に今の味方をして、さりげない破壊の中では、個人などは、何の意味もなさない。