昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

下地

色彩もなく咳き込む君の浄土、ずさんな胎動に住まう、帯電式の夜、悶える隙間からだんだんと現れる愛を温めては、過積載された可能性を運ぶトラックに揺られ、爛々とした目で、火鉢をながめる老人や、角膜に生える花のアナグラムや、秋雨に揺らぐコスモスや、こしかける曖昧さに逍遥する空間的な偽りや、安易な結末に遭遇する卑屈な感情が、幾重にもなり、似たような間隔から生まれる類似品たる君たちに迫る価値を嚮導する者により、境目なんかが生まれ、いつもみたいに、奪い合うための今に、ためらいすらなく、生み出される憎しみの新たな形や、打算的で、懐疑的な日常に生える印象や、因子などが、インスタントなものに変わり、はびこる悪意が、バビロンの中では、インタラクティブになり、ふかまる窮屈な光景にそぐうものなどないから、この厳しいだけの現状に虐げられないように、従うことを辞めて、火傷した関係の中で消耗した面影も、思い出話も、モヤモヤしたり、痩せ細った感情が、たよりなく崩れ去る間に、ただただ曖昧で、辿々しくなるだけの、怠惰な枯渇に寄り添う君の横顔すら、憎くなってしまったのかと、この鈍感で段差すらも飛び越えられない弛んだ身体、感動ポルノの宛先、後先に連なるのは、この快活さもない日々に収まるだけの過程に反して、破壊的な悟性により、狂ってしまった日々の端々に迫る意識的な洪水に飲まれ、せせらぎ歌う神を尻目に、制限などを持ち込んだ、人間的な限界などに屈することなく、ここでの理とは、ここまでを生み出すだけに満たないのだ、と生意気に語る私のわずらわしさを、少しでも昇華させるために、たちまちに現れる、分裂していくだけの、女々しい補完に反し、猥雑な今から解き放たれ、体制的なものに引き摺られずに、自らを律し続ける。