昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

寒空

正義なんてちらつかせずに、ただ、我が身が滅びるままに進む。紊乱な夜風をカセットテープに録音して、去る者追わず、わずらわしいおやすみの声が、記憶を弄り、擬態化した真理が、やがて君を破滅に追いやるころには、すべては老い、生き果てた時間が、ただ、延々と長引くだけであるような、何もない時間から現れる風、無機質な浄土に、さりげないディストーション、乱立した数字を実体化させたのが、我々人類というホログラムであり、プログラムされている通りに、こうして書き散らす辺りに、自分の意思すら存在しないのかと、ここで保たれるものなどは、所詮は、誰かや、何かの言いなりでしかないのかと、あらゆる偏見を、新品同様に磨くレイシストたちの、システマチックな愛国心、倫理観を猿真似して、カルトにより熱暴走した頭は、言われた通りに動くことにより、ドーパミンが出て、次なる快楽をつぎはぎにしながら、しなびた命には、水すら与えぬような、卑しい自分が立体化し、善悪を可視化せずに、価値観で測るから、あらそいばかりなんだ、と、イデオロギーがこき下ろす時代的な憎悪、擁立したものを保護したり、自分の進退のために動く人々の妄想が肥大化して、暗黒物質を食べて暮らす微生物たる私たちの醜態、枢要な史実を食い荒らすカツオブシムシ、輪唱する言葉が氾濫して、陰鬱な衝動を抱え、観点を消滅させ、暗澹とした動悸が加速して、定めなんて無視して、清貧な行方でくたばるまでの軌跡。