昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

裏切りの配下や、やぶれた靴下、荘厳な夕焼けに復元されるだけの日々、忘我にとまる蚊を食べて成長する雛鳥、サフランで色付けされた電車が走り去り、些細な出来事で貫通した腹部や、分裂していく私情の仮数、運命を吐瀉する季節の爽やかな風、退廃的な銃声が出迎えるスラムでの末路、詩的な生業により、加速していく生活の色気や、たくさんの思い出や、容易い午後、駆逐された日曜日から、復縁を迫る肉欲だけの若気の至り、早熟な2人のつぶれた痕、たどたどしい面影の端に掴まる少年たちの爽やかな笑顔、緞帳に重なる語源やら、素数やらが加速して、インナーの服をザクザクに切り裂いて、復調する夏が、すぐそこまで来ているよ、と、即席の理由で、理性をくすぐるストーカーの群れ、カーステレオからは、たるんだ声、溶けた背面でおぼれるプールサイド、陸地では、まだ人類が歩いていたころ、告知されることに対する猜疑心だけは立派で、そのほかは、退屈なことばかりだよ、と、卑下したところで、何を得するわけでもないから、自慢げに、今を笑い飛ばしてやる。