小説の書き方を忘れた砂だらけの手、哲学的な遊具に散りばめられたメタファーにより、詩的な猶予を生み出し、肥大化する理性が吐瀉する緩慢な災禍を尻目に、進化を遂げる数多の孤独、砕けた夜に羽が生えて、あらゆる批判や否定の一切合切をひるがえし、額に光る汗のような模写の隙間から現れる反論理的な物質、室外機の上で眠る家猫たち、タータンチェックの星から落ちる言葉により、この命は生命の灯火を絶えないように、祈る手を振り払い、真実とは荘厳で醜いものでもある、とデリカシーもなくカタルシスに至る悟性、神格化された人々のコインを集めて、痛みを取り払う。レイシストたちが分裂して生まれた国家、畜生のリズムを踏んで、あらゆる意味を透過させ、最愛の日々に返り咲くために、胞子や種子を飛ばし、天下人のように振る舞う価値観を蹴散らすために、大きく育ったのであるし、あらがうことだけが、この命の使命である。銀河に絡みつく理想をすなどり、理由を反復させながら、倫理観なんてものに騙されずに、憎しみを破棄して、来世に期待なんかしないで、今を散らかす。みんなは、私のうしろで踊っているし、軽率な彼らは、闇の中で理由を紡ぎながら、つつがない日々の不幸を加速させるし、意思に衣装を着せて、良い気になっているような私たちだ、誰もが簡単に消費されるための承認欲求を持っていて、獅子奮迅の様子で、チグハグな今を引き裂いて、みずみずしい春を出迎えるために、この厳寒な時を熟知し、真意なんかを謳う退屈な奴らを蹴散らし、権限などを健気に守る人々の乾いた心にまで、愛が届きますように、と歌う彼女の姿が、何か機械的なものに見えてしまった、と落ち込み、気付いたころには、すべては機械的なものであり、今に退屈を謳いながら、ギスギスしたシーンの中で、次々と意思を分裂させる。発狂する良心たち、すがればすがるほどにソワソワして、ツルツルすべるし、そこで滞りなく過ごしても、また記憶は誰かわからぬ者の取り分になるし、そこで虐げられてるままでは、いけ好かないから、籠城して、この星の神秘をぜんぶ調べ尽くして見せるさ。