どれだけ愛しても、物足りない、と、物陰から拡散されるメッセージが、全宇宙に敷衍して、行き先なんてなくても、ただ、ここに冠する愛があって、ただ、包まれる愛は、愛と名づけられる前の、原初の香りがしている、と、セオリーの上を跳ねるバッタ、乱立する無数の記憶を吸い込む巨大な象の鼻、認識するものの最後や、形式的なものの慈しみに敷衍していく事実や実体の虚勢を終え、陰鬱な逍遥を繰り返す全体主義的な汚穢、分裂していく修羅や、粛清ばかりを繰り返すデータ上での彼女の虚空、空疎な自己が捩れていく空間との不破、矮星からこぼれた隠語をアルコールに変える呪文を唱える魔女、ずさんな可能性を孕んだ征服欲を促すハルモニウムの音、磔にされた形容詞を助けるための幼稚な宿命を裏切ってまで、孤独に没入しようと目論むが、孤独の先にあるのは、絶え間ない愛であり、ぬくもりであり、アイディアであり、愛されたいと願うだけの、独りよがりの時間の中で弛緩させる理由などが流動して、本質を洗い流すまでの品位。デジタルな焦燥感に悩んでいる君の記録や、騒々しい傷痕をほじくり返す理論武装した輩や、悠遠で肥大化する痛みや、何度も同じように生産され、あたかもそれは、ずっとそこにあったかのように流布する君の正しさなんてものは、ここでは、何の意味も孕んでおらず、その場で、即座に消え去り、理不尽なものを超越していく。