銀狐がふむ
雪のカーペット、
祭り上げられた
人が神になり、
瞬間をぬりかえるための
ためらいがラメに変わり、
化粧をほどこされた
君が一歩一歩、
一定的に大人に近づくほどに、
老いはすさまじい
速度で加速し、
宇宙の規律からぬけだせずに、
惰性に老いる瞬間を
呪う君は、
能動的な飛躍にいたらずに、
儚く散る意味も知らずに、
のさばる瞬間を、
無知なままに受け入れ、
経過する日々に滑落し、
還元される意味に磔にされ、
今にも混交し、
こじつけられたものが、
連帯感などを謳い、
たよりなく浮かぶ思いは、
歯がゆく加速し、
計測される意味が貪婪にかたまり、
対価を求めては、
退廃的に化合され、
記号化しては、
アンニュイな今に倒錯する。