昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

ひとつの愛である

ボンクラたちの不思議な世界、おんなじ記憶を触った機械たちの夕餉、コストばかりをうるさく突きつけるハクビシンの群れ、世界は凍りついて神秘的だから、ゆたかなヒゲを伸ばして意識を永遠に突き抜けさせて行くほどに、素直な互換性の中で支給される快楽の虜になるのだ、と金に価値がなくなった世界の始まりを告げるラッパが鳴り、のらりくらりと季節を切り取りながら、レゲエかなんかを大音量でかけながら、ひたむきに野菜かなんかを作って、食べれる分だけあればしあわせみたいな楽園を作り上げて、明後日の方を向いて、明日なんか知るかと唾を吐く。思い出なんて糞食らえだし、基礎なんてものに中立であるのにもうんざりしている。明日すらも見えないのに、スラスラと希望なんて描けないし、今は崖の上で愛憎をひねり抽出しながら、中枢神経が壊れていくのをただただ傍観しているばかりだし、我慢なんてものにはホトホト飽き飽きしているし、馬鹿が抑圧の仕方も知らないから、自我が壊れていくのを簡単に処理して、魔方陣なんかを描きながら、ぐるぐるめぐる論理を孤独に加速させ、些細な出来事が空白を駆逐したりして、チクチクと胸が痛むから、このたった数十年をグダグダと生きて、すべてを罵りながら、ハードコアパンクを加速させ、すぐ終わる暴力的な曲に振り回されている世界の欠乏や欠落なんかが、終末論や陰謀論を吐き出し、統合性を失って、ブクブクと太りやがるし、システムダウンするほどに、混乱に乗じて稼いでいたものも、ただの紙切れに変わるまでのカウントダウンは始まり、これからはリリカルな慈愛に長じて、この命を引き延ばしていただけの痛ましい統制は終わり、個人であるとか、同一化し、同じ痛みを分け合うとか以前に、この命とは、こうも簡単に崩れ去り、ただ利用し、利用され、理解なんてものにすら至らずに、ただファシズムを加速させ、意識に枷を嵌め、色彩を失い、ただ依存的に浸る先々に迎合していただけに満たない日々とは、死よりも惨めな生が、無駄に命を引き延ばしているだけに満たないような意地汚さを含んでいても、生きていたいという鈍色の中での輝きを放っては、はびこる悪意の中での最もな正義を謳う中での悪を貫くような美しさを孕んで、永遠に制限されない愛であり続けたい。