昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

均一な旅

ケバい裏通りにリリカルな歌声、他人行儀な街灯が照らす孤独な獣、成し遂げたあとに磔にされている老若男女たち、立場をとってなんか考える隙間もない海馬、リバイバルされてゆく面影との和解を終え、ガイダンスには一切従わずに、舌足らずな鳥たちが歌う幸福論なんかに耳を傾けずに、偏りを感じるような思想には加担せず、子孫繁栄がうるさくつきまとう機械的な行動理論が、意思を拘束しやがるから、次々と裏切り暴れまわる。バームクーヘンみたいな浮島、たどり着いた足もやせ細り、ツノの大きな得体の知れない牛たちが蠢く昼下がり、ニヒリストたちが笛を吹き、不確かな何かを引き出す普遍的な午後に現れる厭世観、引き出しの中で遊ぶ妖精たちには規律などなくて、王や王女を持たないから、統治されることもなく、ただ勝手気ままに箱の中では自由なの、と眠れない少女がカタルシスに至り、疲憊した身体に響く花火の音、島を縁取る極彩色の花々たちが咲き乱れ、足の裏でにじむ血が、昔の大地の地図みたいで、承認欲求ばかりの、傷ついて無知な鳥たちは、見た目が派手なだけで中身はないが、詰め込まれた知識はないから、その分、純粋にも、悪魔にも変わるから、と神が散文詩の中で踊り、ちぐはぐな夢の中で加算された道理から離れ、すべてが壊れ、消えゆく世界の中で、絶えず期待を孕んで、希望を生み出す能動的な機械として、今を楽しく書き換えるために、ペンを持って、空に殴り書きして、拭い去れない痛みには、派手な色を書き足して、画期的なものもいらないから、快適なままに、回転しては、めぐる命は偶然を突き抜け、真実に至らせるための枷を外し、世界が積み上げたものをそのまま受け取り、受け入れるよりも、自らが作り出した思想を崇めずに、そのまま引き伸ばし、誰もが歩ける地平に変え、散漫な儀式に至らせずに、自らを神として捉えず、その場に残るものなどは、ほとんどなくなるものばかりであるから、その場に必要なものなど、ほとんどない。