昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

齧る耳の塩っぱさ

滑らかな腹の上にこぼされた全体主義的な地図、あらゆる血筋を吸い込む蚊の群れ、むくんだアイロニーが締め出す昨夜、とこしえになびく瞬間のぬくもりだけをたずさえ、重力に反して進む足、あらゆる愛の弊害を乗り越え保つ愛こそが、真実の愛などという名ばかりの遺物を取り除き、バンダリズムを用いて、保守的な理想の首元に噛みつき、この世界自体を残らず引き裂き、悠長な理由が妨げるための法などに逆らい、さまざまな思惑がこの惑星自体に戸惑いなどを与えて、保たれる均衡にもたれかかる存在のふてぶてしさに苛立つよりも、この今に極まるものが飢渇しないように潤いを与える。与えられてばかりの身体がブクブクと太りやがる、と促す君の真意や真実すらも、ずさんな支配により左右し、妨げられるための理屈の虜になり、利口であることを選ぶほどに、自分などは損なわれる。権利を謳う者たちの卑屈なレースに参加する。無神経な雨に打たれ、奪われるための観念が迫り、論理の巣窟や、数多のニセモノの聖地、理性すらない起源から生まれた君たちの奇跡に隷属するが故に、大量の奴隷を必要とし、働くことにより与えられる満足という麻薬を生み出し、得る者を恨むために保たれる苦痛により引き出されるルサンチマンにすら利用される私たちの普通というものは、絶えず誰かの餌である、と語るYouTubeの動画なんかに占領され、利用されることこそ、今に恍惚なんかを与え、暴かれる真実と、周囲を囲む陰謀論なんかを信じ込むから、偏りを生み出し、自分の考えなどはなく、ただ利用されることにより、誰かのためになっているなどと促す広告に支配される。あらゆる価値は、枠にはめるだけに機能するような徹底した奴隷を作り出すための宣伝や金言や、自己否定や比率やアンニュイとした還元や、数多の苦痛を引き出すための理由によりカタトニーに至るような者の苦しみが敷衍し、この世界自体を破壊し尽くす。心地よい風と何か生きているに値しないような鈍痛があれば生きていける、と肥大化する苦悩に追いつかれてしまったキルケゴール、退廃的な飛躍により梅毒に苦しむボードレール、曖昧模糊な丼物を食す私の側から刷新され、新世界秩序なんかが喧しく付き纏うから、もう着いてくるな、と一喝する。