昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

帰巣

君と育てた温かい日々、憎しみも捨てた午後、星踊る夜の魯鈍な記念日、写真にはとどまらない姿形を謳う永遠も破棄して、陰影を縁取り王冠や月桂樹に変えて、神秘を黒く塗りつぶす被害者意識ばかりの自己防衛本能が不死身なんかを謳ったりして、立場を用いて引き裂かれた原野、利便性もクソ喰らえだし、基礎なんて切り裂いて、この場で踏みつけて来たし、あらゆるものが、未だ生きたいと願う刹那、世知辛い憂鬱を司る痩せ細った君の勇敢な日、肉親すら必要ないから、と悪魔崇拝を続ける実存主義的なデカダンス、あらゆる無知を頬張りながら、エンディングに向かう先には、苦難なんてものは消え去り、些細な出来事の木偶の坊たちを破壊して進む狂気的な足取り、走り去る意識が押すチャイム、長じる所以から、何事も、ただ突然に帰依し、新たな神を勃興させるのです、と語る母のような馴れ合いから解き放たれ、オイディプスみたいに父を殺める前に、ただ現れる今を愛する、とうそぶくつたない主観から溢れかえる奇跡や、改ざんされる値やらに募る思いも、重くのしかかり、加算される痛みや、採算を合わせるためだけに呼び出された君の窮屈そうな意識に入り込み、この愛は際限なく加速し、隈なく循環する幸せに包まれる。