昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

無償

何も思うこともなくなった後に広がる全てを辞めた世界、切り取られたキルティングの滓、野ざらしの記号、論理的な競争に携わるよりも、自然と遊び、思想すら捨てる。猫が知る陽の当たる場所に移動して、浪費的な彼女たちの地下牢からの手記を受け取り、手当たり次第を詩的なものに変化させ、老いさらばえた身体が引き裂く空間や空虚さや、世代間に迫る高貴さや、攻撃的な奴らの犠牲になるだけの私たちの真理を迎合するためだけに、ためらわずに吐き出される嘘、屈折した信念が吐き出す永劫回帰や、時代性の整合性を謳う凡庸な価値、繰り広げられるロマンスをカスタムして、利便性だけで付き合う恋人たちが倒錯し、辛辣な記号に酔いしれる滅亡的で、暴走するだけの若者たちの希望をすべからく焼夷弾で焼き尽くした恋人たちの理想論から離床し、あらゆる朝が包み込む慎ましやかで伶俐な寂寥に沈み込み、時間論から解き放たれ、ログやラグにゆらぐ空間に食い込むネットワークのずさんさや、最たる意味を喪失し、証拠も残さずに、高尚さを又借りして、リリカルな信心をカットアップして、それを私小説に変換させるための注意喚起の雨が降り、災いや戸惑いの住処に汎用される差異に寄りかかるまやかしや、やかましい熱情との齟齬や、言葉の端々に詰まるファンクで踊る羽虫たちの屍骸や、鳥獣戯画の中で境目なく笑う芸術的な電子音をうながす夏、すなどられた感覚と、還元されるだけの希望を作りだすために手当たり次第に嘯くわけであるし、あらゆる行為は、後々に傷跡なんかに変わり、関わるほどに深まる傷や、治らない病や、過ちばかりを補完する季語や、着心地の悪い質感や、ムードを屠るために作られた神経ガスや、試験管で産まれた命や、その命の値段や、値札を貼られた私たちの被害者意識で溢れた体系化された退屈な日常を葬るために、退廃的なものに騙されずに、支配されずに、芝居を続けずに、批判的で否定的な奴らの情報たる呪詛に飲まれないために、自分を強く持つのだよ、と語る奴の目も、黒く濁っているし、腹の底では、憎悪にもだえてる。